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豊田 晃大; 今川 裕也; 鬼澤 高志; 加藤 章一; 古谷 佳之*
日本機械学会論文集(インターネット), 89(928), p.23-00206_1 - 23-00206_15, 2023/12
高速炉を設計するためには、構造材料の110サイクルまでの高サイクル疲労を考慮する必要がある。110サイクルでの高サイクル疲労を評価するためには、110サイクルまで適用可能な疲労曲線を作成する必要がある。本研究では、高速炉構造材料の候補材料である改良9Cr-1Mo鋼の高サイクル疲労評価手法を開発するため、ひずみ制御条件下での高サイクル疲労試験を実施するとともに、超音波疲労試験を実施した。試験結果に基づき、最適疲労曲線を拡張し、日本機械学会の最適疲労曲線が110サイクルまで適用可能であることを確認した。
海野 良典; 加藤 圭将; 谷川 聖史; 小林 大輔; 大部 智行; 木村 雄一*; 根本 良*; 田尻 一馬*
日本保全学会第19回学術講演会要旨集, p.33 - 36, 2023/08
東海再処理工場のプルトニウム転換開発施設の基礎実験室では、プルトニウムとウランの混合溶液にマイクロ波を照射して、プルトニウムとウランの混合酸化物粉末を製造するため、各種データ取得のための試験を行っていた。現在は、試験を終了しており、グローブボックス設備内の試験機器の解体・撤去を進めている。本稿では、これまでのグローブボックス内の試験機器の更新、設備改良、解体・撤去作業に関する実績を報告する。
町田 秀夫*; 荒川 学*; 若井 隆純
Proceedings of 27th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-27) (Internet), 8 Pages, 2019/05
本研究は、Na冷却高速炉(SFR)の破断前漏えい(LBB)評価に適用可能な周方向貫通き裂の開口変位(COD)とJ積分評価に及ぼす局所塑性変形の影響について述べる。J積分とCOD評価法は一般に弾性成分と塑性成分の和として定式化され、これまでにこれら2つの成分に基づく評価式が数多く提案されている。しかしながら、厳密には、塑性成分は、局所塑性成分と大規模塑性成分とからなる。従来の評価方法の多くは、塑性成分として大規模塑性成分のみを考慮することが多い。その理由は、局所塑性成分の影響は、加工硬化の小さい材料を除いて、大規模塑性成分のそれよりはるかに小さいからである。ただ、SFR配管の候補材料の1つである改良9Cr-1Mo鋼のように、降伏応力が大きく加工硬化が小さい材料では、J積分およびCODに対する局所塑性成分の影響は無視できない。そこで、有限要素解析(FEA)結果に基づいて、J積分およびCODに対する局所塑性成分の影響を考慮した式を提案し、亀裂評価に適用しやすいようにした。計算式は、日本機械学会から発行されるSFR機器のLBB評価に関するガイドラインで採用される。
金山 英幸*; 旭吉 雅健*; 小川 文男*; 川畑 美絵*; 伊藤 隆基*; 若井 隆純
材料, 68(5), p.421 - 428, 2019/05
本論文では、厚さ0.76mmの薄板試験片を用いた改良9Cr-1Mo鋼のクリープ損傷評価法を検討した。まず、薄板試験片を用いたクリープ試験の妥当性確認のため、未損傷材から作製した未損傷試験片を用いてクリープ破断試験を既報に追加して行い、試験温度873K、応力160MPaの改良9Cr-1Mo鋼のクリープ破断試験では大気中・真空中の試験雰囲気によるクリープ破断時間の差は明瞭がないことを確認した。バルク試験片のクリープ破断時間よりもミニチュア試験片と薄板試験片のクリープ破断時間が1.3倍程度長かった。つぎに、線形損傷則に及ぼす予損傷試験片の加工の影響を検討するため、予損傷材から作製した予損傷試験片を用いて予損傷条件と同条件のクリープ破断試験を行い、クリープ破断時間が係数1.3程度のバラつき範囲に整理されることを確認した。これに加えて、加速条件のクリープ破断試験を未損傷試験片および予損傷試験片に行い、同結果から薄板試験片を用いた加速クリープ破断試験による損傷評価を行った。試験結果は寿命比則で整理すると係数1.3の範囲に整理された。さらに、加速クリープ破断試験、ビッカース硬さよびラス幅に注目した組織観察の各試験結果から、クリープ損傷量の予測を試み、比較した。加速クリープ破断試験の予測結果はビッカース硬さのそれより精度が高く、ラス幅の予測結果は加速クリープ試験とビッカース硬さの間の精度であった。加速クリープ試験およびビッカース硬さによる予測結果を相加平均で組み合わせる評価手法を提案し、少ない試料数で高精度な予測が可能になる可能性が示された。
若井 隆純; 町田 秀夫*; 荒川 学*; 柳原 星児*; 鈴木 良祐*; 松原 雅昭*
Proceedings of 26th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-26) (Internet), 9 Pages, 2018/07
本研究は、高速炉(SFR)配管のLBB評価に使用されるき裂開口変位(COD)評価法を確立するために実施した。SFR配管については、LBB成立を前提に定期検査における体積試験を連続漏えい監視に代えることが想定されている。SFR配管は改良9Cr-1Mo鋼製で、内圧が低く、薄肉大口径である。改良9Cr-1Mo鋼は、従来のオーステナイト系ステンレス鋼と比較して高強度低延性である。LBB評価では、これらを考慮して貫通き裂からの冷却材漏えい率を適切に推定しなければならない。漏えい率はCODと強く関係するので、適切なCOD評価法を確立する必要があるが、薄肉大口径の高強度低延性材料製SFR配管に適用可能なCOD評価法は未だ提案されていない。そこで本研究では、改良9Cr-1Mo鋼の薄肉大口径管に適用可能なCOD評価法を提案した。すなわち、パラメトリックな有限要素解析(FEA)で計算したCODを弾性、小規模降伏と大規模降伏の各成分に分解し、それぞれ多項式近似して与えた。さらに、周方向貫通き裂を有する改良9Cr-1Mo鋼管を用いた4点曲げ試験の結果との比較により、その適用性について検討した。その結果、CODを過大評価する場合があることが分かった。LBB評価では小さめの漏えい率を想定する方が安全側であるため、ここではLBB評価にはCODの弾性成分のみを考慮することを推奨した。
若井 隆純; 町田 秀夫*; 荒川 学*; 菊地 浩一*
Proceedings of ASME Symposium on Elevated Temperature Applications of Materials for Fossil, Nuclear, and Petrochemical Industries, 7 Pages, 2018/04
ナトリウム冷却高速炉(SFR)のLBB評価における不安定破壊評価に適用可能な簡易J積分評価法を提案した。改良9Cr-1Mo鋼は日本のSFR配管の候補材料であるが、従来のオーステナイト系ステンレス鋼と比較して、降伏強度が高く、破壊靭性は劣る。EPRIは全断面塑性解に基づく周方向貫通亀裂のJ積分評価法を提案しているが、SFR配管の形状および改良9Cr-1Mo鋼の材料特性は、この方法の適用範囲外である。したがって、周方向貫通亀裂を有する配管について一連の弾性、弾塑性および塑性有限要素解析(FEA)を実施し、SFR配管に適用可能なJ積分評価法を開発した。FEAから得られたJ積分を、弾性、小規模降伏および大規模降伏の各成分に分解し、それぞれを配管形状、亀裂寸法、材料特性などの関数として多項式近似することで、簡便なJ積分評価法を提案したことにより、破壊力学の知識がなくてもJ積分を用いて2パラメータ法による破壊評価を行うことを可能とした。
鬼澤 高志; 永江 勇二; 加藤 章一; 若井 隆純
材料, 66(2), p.122 - 129, 2017/02
次世代ナトリウム冷却高速炉では、配管の短縮化などによる物量削減を図り、優れた経済性を達成するために、高温強度と熱的特性に優れる改良9Cr-1Mo鋼を冷却系全般に適用することを検討している。改良9Cr-1Mo鋼は、繰返し負荷に伴い軟化挙動を示す材料であり、繰返し軟化により引張特性やクリープ特性に影響があることが報告されている。しかしながら、繰返し軟化条件をパラメータとして、系統的に高温材料特性への影響を検討した例はない。このため、改良9Cr-1Mo鋼について、繰返し軟化条件をパラメータとした繰返し軟化材を製作し、それらの引張試験およびクリープ試験を実施し、繰返し軟化条件と高温材料特性が受ける影響の関係を評価した。加えて、それら評価に基づき、高速炉設計における繰返し軟化効果の取扱いについて検討を実施した。
天谷 政樹; 宇田川 豊; 成川 隆文; 三原 武; 谷口 良徳
Proceedings of Annual Topical Meeting on LWR Fuels with Enhanced Safety and Performance (TopFuel 2016) (USB Flash Drive), p.53 - 62, 2016/09
軽水炉用改良型燃料について、現行の安全基準の妥当性及び安全余裕を評価するため、また今後の規制のためのデータベースを提供するため、原子力機構ではALPS-IIと呼ばれる原子力規制庁からの委託事業を開始した。この事業は、商用PWR及びBWRで照射された高燃焼度改良型燃料を対象として、主として反応度投入事故及び冷却材喪失事故を模擬した試験から構成されている。最近、高燃焼度改良型燃料のRIA時破損限界がNSRRにて調べられ、パルス照射試験後の燃料を対象とした照射後試験が行われている。LCOA模擬試験に関しては、インテグラル熱衝撃試験及び高温酸化試験が燃料試験施設で行われ、高燃焼度改良型燃料被覆管の破断限界、高温酸化速度等が調べられた。本論文では、この事業で取得された最近のRIA及びLOCA模擬試験結果について主に述べる。
若井 隆純; 町田 秀夫*; 佐藤 健一郎*
日本機械学会M&M2015材料力学カンファレンス講演論文集(インターネット), 3 Pages, 2015/11
ナトリウム冷却型高速炉の改良9Cr-1Mo鋼配管のLBB評価に適用する感通じき裂長さ評価法について述べる。実際の設計条件ではほとんどき裂は貫通しないけれども、LBB評価においては仮想的な貫通時き裂長さを求められる。一般に貫通時き裂長さは、膜・曲げ応力比で決まり、純曲げ応力の場合が最も長くなる。本研究では、軸方向および周方向の貫通時き裂長さを膜・曲げ応力比と材料特性の関数として簡易に求める方法を提案した。この方法によって、荷重条件と疲労き裂進展特性が分かれば、貫通時き裂長さを求めることができる。
若井 隆純; 町田 秀夫*; 荒川 学*; 佐藤 健一郎*
日本機械学会2015年度年次大会講演論文集(DVD-ROM), 5 Pages, 2015/09
周方向き裂つき配管の不安定破壊評価に用いるJ積分評価法について述べる。JSFR配管では変位制御型負荷が支配的であるので、き裂の存在によって配管系の荷重バランスが変化する。また、薄肉大口径で、かつオーステナイト系ステンレス鋼に比べ非線形性の高い改良9Cr-1Mo鋼で製作される。J積分評価法としては、EPRIの方法があるが、JSFR配管の形状と材料特性は適用範囲から外れる。そこで、有限要素解析結果に基づいて、改良9Cr-1Mo鋼製薄肉大口径管に適用可能なJ積分評価法を開発した。
町田 秀夫*; 若井 隆純; 佐藤 健一郎*
日本機械学会2015年度年次大会講演論文集(DVD-ROM), 5 Pages, 2015/09
ナトリウム炉配管では、アクセス性の悪さから、体積試験が難しい場合がある。このため、貫通前の欠陥を検出することは難しいので、破壊するより前にナトリウム漏えいを検出することが考えられている。すなわち、仮にき裂が貫通したとしても、微小な漏えいを検出することによって直ちにプラントを停止し、安全を確保するということである。そのためには、破断前漏えいが成立することを示すことが重要である。本研究では、き裂を有する高クロム鋼製配管の破壊強度に及ぼす破壊抵抗の影響について考察し、LBB評価に用いる破壊抵抗の要求について提案を行った。
天谷 政樹; 宇田川 豊; 成川 隆文; 三原 武; 杉山 智之
Proceedings of Annual Topical Meeting on Reactor Fuel Performance (TopFuel 2015), Part.2 (Internet), p.10 - 18, 2015/09
高燃焼度領域での燃料性能を向上させるとともに既設の原子炉の安全性を向上させるため、高耐食性被覆管や核分裂生成ガス放出を抑えたペレットで構成された改良型燃料が事業者や燃料メーカによって開発されてきた。このような改良型燃料の現行の規制基準や安全裕度の妥当性を評価するため、またこれらに係る将来の規制のためのデータベースを提供するため、原子力機構はALPS-IIと呼ばれる新しい研究プロクラムを開始した。このプログラムは、欧州から輸送された高燃焼度改良型燃料を対象とした反応度事故(RIA)模擬試験及び冷却材喪失事故(LOCA)模擬試験から主に構成されている。本論文では、このプログラムの概要及び現在までに得られているRIA及びLOCA模擬試験結果について述べる。
小川 宏明; 小川 俊英; 都筑 和泰; 川島 寿人; 河西 敏*; 柏 好敏; 長谷川 浩一; 鈴木 貞明; 柴田 孝俊; 三浦 幸俊; et al.
Fusion Science and Technology, 49(2), p.209 - 224, 2006/02
被引用回数:3 パーセンタイル:24.11(Nuclear Science & Technology)JFT-2Mでは、コンパクト・トロイド(CT)入射による先進的燃料補給法の開発を進めてきた。JFT-2Mの実験において、初めてHモードプラズマ中にCTを入射することに成功し、Hモードとの両立を確認した。その際の粒子補給効率として最大40%を得た。また、トカマク中でのCTの上下方向のシフトや反射といったトカマク磁場との相互作用に起因するCTの挙動を実験的に解明した。さらにCT入射直後に発生する磁気揺動の解析から、この揺動がCT磁場とトカマク磁場との磁気リコネクションを通じた粒子解放過程に関連することを明らかにした。同時に、入射装置の改良によるCTパラメータ(密度,速度)の向上や湾曲輸送管を用いたCT輸送実験を行い大型装置に適用する際の技術開発を進めた。
小瀬 裕男*; 高瀬 和之; 吉田 啓之; 秋本 肇
Proceedings of 10th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE 10) (CD-ROM), 8 Pages, 2002/00
核融合炉真空容器内に冷却材が侵入した場合を想定し、真空容器内で起こる熱流動現象を数値的に調べた。著者らはすでに、軽水炉の安全性評価解析コードTRACを核融合炉条件に対して利用できるように改良している。この改良TRACコードを使って、核融合炉の構成要素を縮小簡略モデルで模擬した体系で冷却材侵入時の水-蒸気系二相流挙動に関する3次元詳細解析を行った。本研究の結果、真空容器,サプレッションタンク,ドレンタンク,リリーフ配管,ドレン配管等から構成される圧力抑制システム内での蒸気と水の分離流挙動が視覚的に明らかになり、現状の圧力抑制システム設計の考え方は十分妥当であることがわかった。また、リリーフ配管の断面積,冷却材温度,真空容器温度,侵入時間等をパラメータとした一連の解析結果はモデル試験結果を高い精度で模擬できることを示した。
鐵 桂一*; 澤田 淳
JNC TN8430 2001-006, 65 Pages, 2001/10
NETBLOCKではこれまで、亀裂交差部の透水性を把握するための試験を行ってきた。しかし、試験で使用した岩体は透水性が高いため、制御可能な試験条件下で亀裂内の流れが乱流となる可能性が指摘されている。亀裂内の流れが乱流である場合、亀裂開口幅、透水量係数を過小評価してしまうため、層流状態を達成する必要がある。本試験では、水よりも粘性の高い流体(高粘性流体)を用い、これまで使用してきたT字に交差した天然亀裂を持つ花崗岩を用いた。また高粘性流体は、メチルセルロース系の水溶液を使用した。高粘性流体を用いることにより、マノメータを広い範囲で使用でき、測定の精度を上げることができた。また、0.1wt%以上の高粘性流体を用いることで、岩体亀裂内の流れが層流になる結果が得られた。
浜田 健太郎*; 井上 雅好*; 田中 淳; 渡辺 宏
Plant Biotechnology, 18(4), p.251 - 257, 2001/04
イオンビーム照射とタバコ花粉の培養系利用によって得られたポテトウィルスYの耐病性半数体の染色体倍化を行うため、髄組織の培養を試みた。その結果、35個体の植物を得ることができ、順化を行った。それらの染色体数は22から96本まで変化していたが、16個体では、正常な48本の染色体を保持していた。また、これらの植物体は自家受粉により稔性種子を作り出せることができた。さらに、後代でポテトウィルスYの接種試験を行ったところ、耐性と感受性の植物体が混在していたものの、半数体で耐病性であった約50%が倍化植物体でも耐性であることがわかった。
山田 直之*; 鎧 桂一*; 澤田 淳
JNC TN8430 2001-003, 64 Pages, 2001/03
NETBLOCK試験装置ではこれまでに、アクリル試験体および模擬岩体を用いた試験を通じて、透水試験を行う上での装置の取扱方法、試験条件等の検討を行ってきた。また、交差亀裂を有する実岩体(花崗岩:釜石鉱山より採取)をNETBLOCKで試験可能なサイズに成型を行ってきた。今回は、亀裂交差部が透水性に与える影響を調べることを目的として、実岩体を用いた透水試験を行った。対象となる亀裂の透水性が高いために、計測システムの改良を行い、数cm程度の水頭差で透水試験を行った。その結果、亀裂の透水量係数が10-410-5(m2/s)のオーダーであることが分かった。また、注水時の亀裂内の水頭分布から、下部亀裂のNW方向に透水性の低い箇所があることが推定できた。亀裂の透水性が高く、試験時の透水量が多くなることから、試験条件が乱流である可能性が考えられる。乱流が生じている場合、透水性を低く評価することになるので、流体の粘性を高くして層流条件で試験を実施し、透水性の正しい評価を行う必要があると考えられる。
中村 義輝; 奈良 孝幸; 上松 敬; 石堀 郁夫; 田村 宏行; 倉島 俊; 横田 渉; 奥村 進; 福田 光宏; 赤岩 勝弘*; et al.
Proceedings of 13th Symposium on Accelerator Science and Technology, p.193 - 195, 2001/00
原研高崎のAVFサイクロトロン装置は、1991年3月のファーストビーム以来、特に深刻な故障もなく、順調に運転されている。年間の運転時間は、最近8年間での平均で約3200時間である。この2年間では、われわれは以下に示すような開発や改良を実施した。専用冷却システムの追加によるサイクロトロンビームの安定化、第5高調波RFを用いたフラットトップ装置の検討と設計,放射線遮蔽のためのロータリーシャッターの改造及びマグネティックチャンネルとその電源の増強等である。さらに、冷却系のための循環ポンプの更新,電源盤内のシャント抵抗の交換及び基幹ビーム輸送ラインでのいくつかの電磁石の再アラインメント等も、実施された。
田中 伊知朗; Ahmed, F. U.*; 新村 信雄
Physica B; Condensed Matter, 283(4), p.295 - 298, 2000/06
被引用回数:4 パーセンタイル:27.84(Physics, Condensed Matter)X線に比べて中性子入射強度の大幅な不足が実験遂行上の大きな障害となっている現状を克服し、中性子を最大限に有効利用するために、当グループでは中性子回折用モノクロメータとして弾性湾曲完全結晶シリコン(EBP-Si)を用いてきた。今回発表する内容は、このEBP-Siの2種類の改良に成功したことの報告である。1つは同結晶面重ね合わせである。これを用いることで生体物質用中性子回折計(BIX-III)試料位置において、1.6倍の強度増を確認し、ruburedoxinタンパク質のデータが十分解析に耐える形で測定できた。2つ目は異結晶面重ね合わせによって2波長を同時に試料に当てた。Si粉末飼料及び有機化合物単結晶試料の測定において、別の波長からの反射を同時収集することにより、測定効率を向上させることができた。
加藤 章一; 吉田 英一; 青砥 紀身
JNC TN9400 2000-042, 112 Pages, 2000/03
FBR蒸気発生器の伝熱管破損に起因する隣接伝熱管への破損メカニズムのひとつとして、ナトリウム-水反応により急速に伝熱管壁が加熱され破断に至るいわゆる高温ラプチャ現象が考えられる。本研究では、改良9Cr-1Mo鋼に関する高温ラプチャ評価の基礎データとして反映するため、超高温領域における引張及びクリープ試験を実施した。引張試験におけるひずみ速度は10%/min10%/sec、クリープ破断時間は最長277secである。また、試験温度は7001300である。本試験において得られた結果を要約すると、以下のとおりである。(1)改良9Cr-1Mo鋼について、ひずみ速度と引張強度との関係及び数分以内の極端時間のクリープ破断強度に関する評価データを取得した。(2)上記取得データに基づき、Mod.9Cr-1Mo鋼伝熱管の構造健全性評価に必要なクリープ破断式を提案した。(3)改良9Cr-1Mo鋼の超高温域における引張強度及びクリープ強度は、「もんじゅ」伝熱管材料の2・1/4Cr-1Mo鋼よりも高い値を示し、優れた強度特性を有していることがわかった。